小さな困りごとの先にある、技術の役割
先日、ある会社の方から、AIを使ったビジネスのアイデア出しに参加してほしいというお声がけをいただきました。
せっかくの機会でしたので、私も参加させていただき、いろいろな立場の方と一緒に、AIをどのように事業や社会の中で活かしていけるのかを考える時間になりました。
その場では、さまざまなアイデアが出ました。
業務を効率化するもの、情報を整理するもの、人の判断を支えるもの。AIという技術の広がりを改めて感じる内容も多くありました。
一方で、話題の中には、兵器やドローンに関する話もありました。
ドローンは、センサー技術などの進化によって性能が高まり、量産も進んでいる。そうした現実についてのお話を聞きながら、技術の進歩というものは、良い面だけを見ていればよいわけではないのだと、改めて考えさせられました。
もちろん、私たちの会社が兵器をつくるわけではありません。
ただ、技術に関わる仕事をしている以上、「できるかどうか」だけでなく、
「何のために使うのか」を考えることは、とても大切だと思います。
便利なものをつくる。
効率のよいものをつくる。
新しいものをつくる。
それらは、どれも大切なことです。
しかし、
その先にいる人が少しでも楽になるのか。安心できるのか。前向きに仕事ができるようになるのか。
そこを見失ってはいけないと感じました。
戦争や兵器のような大きな問題に比べれば、私たちが普段向き合っている課題は、とても小さく見えるかもしれません。
たとえば、日々の業務で同じ入力を何度もしている。
必要な情報を探すのに時間がかかっている。
人に聞かないと進められない作業がある。
確認漏れが不安で、余計に神経を使っている。
一つひとつは、小さな困りごとかもしれません。
けれども、その小さな困りごとが減ることで、誰かの仕事が少し楽になることがあります。気持ちに余裕が生まれることがあります。人にしかできない仕事に、もう少し時間を使えるようになることもあります。
私たちがつくるべきものは、そういう方向にあるのではないかと思います。
大きな技術を扱うからこそ、大きなことを言う必要はありません。
むしろ、目の前にある小さな問題を見つけること。
その問題を、できるだけわかりやすく、使いやすい形で解決すること。
そして、その結果として、人が少し幸せになること。
そういう製品やサービスを、これからも考えていきたいと思いました。
AIに限らず、技術はこれからも進化していきます。
その進化の速さに驚くこともありますし、時には戸惑うこともあります。
だからこそ、私たちは「何をつくれるか」だけではなく、「何のためにつくるのか」を大切にしていきたいと思います。
小さな問題を、小さなまま見過ごさない。
その先にいる人の働き方や気持ちを想像する。
そして、少しでも良い方向に変えられるものをつくる。
今回のアイデア出しの場に参加させていただいたことで、そんな基本的なことを改めて考える機会になりました。
貴重な場にお声がけいただいたことに感謝しながら、これからも、技術の使い道を丁寧に考えていきたいと思います。
執筆者:有限会社スピナッチパワー 代表取締役 土屋秀光
業務改善やシステム開発、AI活用支援を通じて、働く人の小さな困りごとを減らす製品・サービスづくりに取り組んでいます。技術を「何ができるか」だけでなく、「誰のために、何のために使うのか」という視点で考えることを大切にしています。


